茨城大学地域連携21世紀プラン (印刷用PDFファイル[231KB]はこちらです)


1.はじめに
  茨城大学は大学の基本理念として「研究」「教育」「社会の持続的な発展に貢献」の3つを掲げています。 茨城大学では「地域連携」にさまざまな形で取り組んでまいりましたが、とくに2002年に「茨城大学地域貢献プラン」を発表して以来、その活動は大きな組織的前進を遂げることができました。主な成果は、大学としての地域連携に関する「組織体制づくり」にありました。今回の「茨城大学地域連携21世紀プラン」は地域連携活動の次の展開をめざした5ヶ年計画です。「茨城大学地域貢献プラン」からの3ヶ年を茨城大学としての地域連携活動第T期と位置付けるとすれば、「地域連携21世紀プラン」はU期計画ということになります。この計画の実施を通じて地域に期待される大学としての「機能づくり」を目指したいと考えています。地域のみなさまのご助言、ご協力をいただければ幸いです。

2.茨城大学地域貢献プラン(2002〜2004)「地域連携組織体制づくりの3ヶ年」
  「茨城大学地域貢献プラン」に基づいて「茨城県・茨城大学連携協議会」が発足し、茨城県との正式提携活動がスタートしました。この活動は「文科省地域貢献特別支援事業」の支援を受け、3分野10課題について、県と大学の共同研究、共同開発、共同推進の取り組みとして組織的な展開が図られました。そして、この3年間の取り組み成果は茨城大学公開シンポジウム「茨城大学からの発信」(Part1:地域づくりのためのパートナーシップ Part2:市民・行政・大学の「協働」による農・環境・食コミュニケーションの形成 Part3:茨城の豊かな水環境を守り、利用するために)において、市民の参加を得て発表されました。
  「茨城大学地域貢献プラン」の活動のなかで、茨城県や茨城産業会議との連携を深めることができたことも大きな成果でした。日立地区には「ひたちものづくりサロン」が開設され地元企業との協働の取り組みが進んでいます。部局ごとの取り組みとしては、教育学部と水戸市教育委員会との提携、人文学部と常陸大宮市と大洗町等との包括協力協定の締結など多様な活動も広がっております。
  また、茨城大学と地元の経済界、行政、地域社会等との連携協働組織として「茨城大学社会連携事業会」が2004年に発足しました。社会連携事業会の発足で茨城大学と地元地域社会との日常的コミュニケーションの場が得られ資金的にもご支援いただく組織体制が整いました。
茨城大学の社会連携活動のあり方を検討する全学委員会は以前から設置されていましたが、地域連携活動を本格的に推進していく組織体制は未確立でした。そこで「茨城大学地域貢献プラン」の成果を踏まえて2005年4月に茨城大学地域連携推進本部を発足させました。これは学長特別補佐を本部長とし、独自の事務局体制を持った全学組織で、政策企画の検討だけでなく、社会への窓口機能、広報機能、事業推進機能、全学の取り組み調整機能等を総合的に果たしていこうとする組織です。
  このように「茨城大学地域貢献プラン」の3ヶ年の取り組みを通じて茨城大学は、遅まきながらも、地域連携活動の組織体制を整えることができました。

3.地域連携に対する茨城大学の基本姿勢 
「地域連携の機能形成への5年間として」

  「茨城大学地域連携21世紀プラン」は、茨城大学が地域連携活動推進の第U期として位置付ける構想計画です。計画の5年間を前半3年(2005〜2007)と後半2年(2008〜2009)に区分し、前半の活動は2007年末に中間点検し、問題点を改善し、新たな課題も取り込んで後半に進みたいと考えております。「地域連携21世紀プラン」の実践のなかで、大学全体としても、部局毎やキャンパス毎にも地域連携活動をさらに活発化させ、組織的にも茨城県との協力関係をさらに充実させるだけでなく、市町村、経済界、市民団体等との協力関係も広げていくことを目指します。それらの取り組みを通じて茨城大学は、地域社会とともに生き、地域から期待される大学として備えるべき基本機能を確立充実させていきたいと考えています。
  以下、「茨城大学地域連携21世紀プラン」の骨格を説明致します。
地域連携に臨む基本姿勢 「地域社会の一員として」
  茨城大学ではこの分野の活動を「地域貢献」という言葉で表現することもありました。これは大学が地域社会のお役に立ちたいという気持ちの現れではありましたが、地域社会における大学のあり方という視点からすれば、「貢献」云々より前に、まずは大学が地域社会の一員として位置を得て役割を果たしていくという姿勢を明確にすることがより重要ではないかと考えるに至りました。
  そこでの主なキーワードは「パートナーシップ」であり、「協働=コラボレーション」であり、「コミュニケーション」であろうと考えました。こうした意味からこの分野の活動を総称として「地域連携」と呼ぶことにしました。「社会連携」という言葉もございますが、ここでは社会一般ではなくより明確に地元の地域社会とのより良い関係形成を意識しております。「地域」の範囲については厳密に定義しませんが、おおよそは地元市町村、茨城県、そして広くは関東圏くらいを想定しております。
  地域の一員として大学が地域社会に参画し、地域社会と共にさまざまな課題に取り組み、そのなかで大学が果たすべき役割と機能を発掘、開発し、地域に期待される大学として大学自身も自己発展を遂げていくという道を想定しております。こうした地域連携活動に、茨城大学の教職員や学生は、それぞれ個人としても、また大学の学部、学科などの個別組織としても、水戸地区、日立地区、阿見地区などのキャンパスごとにも取り組んで参ります。さらにそれだけでなく国立大学法人茨城大学としてもまとまった取り組みを力強く進めてまいりたいと考えております。

4.茨城大学地域連携21世紀プランの目標―地域に期待される大学としての5つの機能づくり
  先にも述べましたように「茨城大学地域連携21世紀プラン」(2005〜2009)では、さまざまな地域連携活動を通じて、地域連携の推進という視点から大学のあり方を自己点検し、改めるべき点は改め、充実させるべき点は充実させ、地域に期待される大学としての機能を開発し、身につけていきたいと考えております。地域連携に関して大学にはさまざまな機能が求められていますが、ここでは次の5つの機能開発を自らの課題として掲げました。
@開かれた大学として(馴染みある大学へ)
地域社会から見た大学の問題点としては、これまで「入りにくい」「馴染みにくい」という点が挙げられてきました。茨城大学はこうした「閉ざされた大学」の体質を改め、「地域社会に開かれた大学」、市民、企業、行政など地域社会の担い手のみなさんにとって「馴染みある大学」になることを目指します。そのために、地域社会への窓口組織の明確化、適切な広報、地域社会からの大学利用制度の拡充、地域社会と大学との協働活動の活発化などを進めたいと考えております。
A頼れる知の拠点として(集える大学へ)
   地域社会が大学に求める魅力はやはり知性の領域だと考えます。知の拠点としての研究、教育の充実が、地域社会にも開かれ、大学が地域社会にとって頼れる知の拠点として期待される存在になっていきます。
   市民、企業、行政などが新しい仕事を始めようとしたとき、あるいは様々な問題にぶつかって行き詰まったとき、誰かに相談したい、誰かに支援を求めたいと考えることも多くあると思います。そうしたときに大学が相談相手となり、課題が適切に解決され、仕事に新しい展開が作られていくこと。別の言い方をすれば、大学が地域社会に対して、コンサルタントとして、あるいはシンクタンクとして機能していくことも必要だと考えます。
   そのためにも研究、教育のなかに地域課題を積極的に取り入れ、地域における知の拠点としての内容充実を図り、研究教育の推進プロセスへ地域からも参画しやすい仕組みを開発していきます。そして知の領域でも市民が「集える大学」を実現していきます。
B多様な情報の交差点として(知りたくなる大学へ)
   現代は情報の時代だと言われています。しかし、地域社会はいま必ずしも満足できる状況にはおかれていないようです。情報発信したいけれどその場がない、欲しい情報がなかなか得られない、情報大海の中で求める情報、頼れる情報を見つけられない、等々は地域社会によくみられる状況です。地域に公共性と活力のある情報交差点が形成されていないことが一つの原因だと考えられます。地域社会におけるこれからの大学の役割としてこうした情報交差点機能をさまざまな形で担っていくことも重要だと考えます。大学が組織として、あるいは教職員学生が個人としても、さまざまなメディアと連携しながら、こうした役割を積極的に担っていくことによって、知りたくなる大学を実現していきます。
C地域の力を共に育て合う拠点として(地域共育の大学へ)
   地域の力は究極的には人、そして人々の力だと思います。老若男女、地域に生きるそれぞれの人たちが、自らの力を発掘し、育て、協力し合っていくこと。それが地域社会の力を高めていく本道だと思います。地域にある教育・研究機関としての大学は、このような地域力の育て合いのプロセスでも適切な役割を果たしていくことが求められています。地域における学校教育の場面でも、生涯学習の場面でも、その外の幅広い社会教育の場面でも、大学が多面的な役割を果たしていけるように、地域力の共育に資するさまざまな機能の確立、充実を図り、「地域共育の拠点としての大学」を目指します。
D全国、そして世界からの注目される機関として(知的活力のある大学へ)
   以上の4つはいずれも地域社会と大学との直接的関係性に係わる機能開発の課題ですが、言うまでもなく茨城大学は研究、教育の拠点として、全国から世界から注目される成果を産み出していかなければなりません。知的活力の面で世界的にもトップランナーとしての高い水準が確保されることによって、茨城大学が地域にとって誇れる存在として認知されていければと考えます。

5.4つの分野を中心にしたプロジェクトの推進
  茨城大学地域連携21世紀プラン(2005〜2009)では、茨城大学における教育・研究をはじめあらゆる活動を通じて、上に掲げた5つの機能の実現を目指します。特に、地域のさまざまな課題を調査、研究し、多くの方々とのパートナーシップのネットワークを作り上げて、地域の課題を解決する力を築き上げていくために、一層活発にプロジェクトを実施していきます。これまでの実績と地域の課題を考えて、以下の4つの分野をプロジェクト実施の中心的な分野にしたいと思います。
1) 地域の教育力
2) 地域環境形成、自治体との連携
3) 産官学連携
4) 学術文化

6.地域連携の推進体制―地域連携推進本部体制の整備
茨城大学では、地域連携活動を全学的一体的にコーディネートする体制をつくり、学部、センターさらに個々の教員に地域連携活動の情報を伝えるとともに、急増する課題等に対応するため、社会連携事業会との連携を図る新体制の地域連携推進本部を平成17年4月1日に設置しました。(付図参照)。
1)地域連携推進本部の体制
地域連携推進本部は、教員と学術企画部の職員で構成されています。
同本部の役割は地域社会に対する全学の窓口・広報、自治体・地域の団体との協議・連携、学部・センターとの情報交換・連絡、プロジェクトの企画運営、社会連携事業会との連絡調整等です。
2)社会連携事業会との連携
   社会との架け橋として設立した茨城大学社会連携事業会とは、茨城大学の社会連携事業の車の両輪として、連携を密に致します。社会連携事業会に届いたご要望に対応するとともに、いただいた会費や寄附金を効率的に地域連携事業の推進に役立てます。
3)地域連携コーディネーター会議
  茨城大学の地域連携活動を実際に担うのは学部・センターの教職員です。既に多くの学部・センターで地域連携委員会等の推進体制ができていますが、地域連携コーディネーター会議を開いて定期的に情報交換や学内での連携の強化を進めます。
4)茨城県や市町村、地域の団体等との連携
 地方自治体や多くの地域の団体とのパートナーシップを築くために、協議を行い、連携を強めていく方針です。この場合も、課題に関係の深い学部やセンターと相談して、対応します。
5)窓口体制
 全学の窓口として、地域連携推進本部が地域からのご意見やご要望に対応します(電話:029-228-8585又は8781)。地域連携推進本部に届いた意見や要望は、関係の深い学部やセンターと相談して、対応します。
また、各学部やセンターが直接窓口となるケースも多いと思いますが、その場合は地域連携本部とよく連絡を取り合うように致します。
6)広報
 パンフレットやホームページによる広報、マスコミへの情報提供を積極的に推進します。

付図 茨城大学の地域連携推進体制




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